この年(筆者注:1983年)、私が考え込んだ「事件」のひとつが6月に発表されたMSXです。
発表前にアスキー副社長の西君が僕のところに来て「日本電気がPC-8000をやっているのは知っているが、それはそれとしてMSXにも参加してくれ」と随分頼まれました。
いくら8000がいいといっても、これは日本電気だけのものですからね。お得意先にすれば、選択肢が増えるわけです。そう考えれば賛同した方がいかもしれないと、いろいろ悩みました。
今でも思い出すのは6月に東京・大手町の経団連会館で開かれたMSXについての記者会見です。最初、僕は「その会見に参加しない」と言っていたのだが、西君が「とにかく出席して一言しゃべってくれ」と言う。それで変なあいさつをしたんです。
【記者】MSXの規格発表に出ないのも一つの意思表明ですが、出た上でキチッと「参加しない」と言うのも第三者に与える心理的効果は大きかったのではないでしょうか。これでサードパーティも安心したでしょうから。
そうですね。
【出典】日経産業新聞 1990年10月26付より抜粋
…さすが西さん、強引だ。(汗)
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