日米二社が激しく対立していた家庭用の低価格パーソナルコンピューターの規格統一問題が二十七日、一転して和解し、パソコンソフトウエアでは最大手の米国マイクロソフト社の提案に一本化されることになった。
マイクロソフト社の日本における業務提携先のアスキーの西和彦副社長と、これに対抗していた日本ソフトバンクの孫正義会長のトップ会談がこの日開かれ、両社の対立点であった契約金問題が解決したことがきっかけになっている。
この規格統一問題ではマイクロソフト社が“仕掛け人”となって日本電気、松下電器産業など十四社に働きかけ「MSXホームパソコン」を提唱したが、ソフトウエア製作メーカーに多額のロイヤリティー(使用料)を請求したりしたため、有力メーカーのシャープ、ソードがこの統一案呼びかけに参加しないと表明していた。
こうした業界の不満の声をバックに、パソコン向けソフト卸売り最大手の日本ソフトバンクが基本ソフトウエアに米国デジタルリサーチ社、ソード社が開発したものなどを採用した独自の統一案を発表、マイクロソフト社と対立していた。
二十七日開かれたトップ交渉で両社が和解したのは、マイクロソフト社側が批判の強かった契約金問題で大幅譲歩したことがきっかけになった、という。
両社の合意内容は
・マイクロソフト社はソフトウエア製作メーカーにロイヤリティーを請求せず、これまでのプログラム言語と同様に無料公開の原則を守る
・ソフトウエアプログラムを記憶させたROMの開発装置など機器仕様を全部公開する
――などで、日本ソフトバンクは「パソコン市場の健全な発展を図るため訴えてきたわれわれの主張が認められた」(大森社長)と「MSXホームパソコン」の支持を表明した。
【出典】日本経済新聞 1983年6月28付
和解内容の詳細は明らかになっていないが、業界筋によると「マイクロソフトに入る使用料などが当初の20億円から5億円程度になるほど厳しいもの」といわれている。
【出典】日経産業新聞 1983年7月15日
ここまで西さんがディスカウントしてしまうとなると、マイクロソフトがハードよりもソフトで稼ぎたいと思うのはむしろ当然かもしれません。。。
0コメント